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北海道の道南、日本海側にある寿都町には、幾つかの鉱山が稼働していた記録がある。
目ぼしい遺構が残っているのは大金鉱山と広尾鉱山の二か所で、大金鉱山は廃道奥に巨大な製錬所が眠っており、さらに奥には居住地跡もあるが藪漕ぎと遡行でほぼ困難、今回は住宅蛾の奥に眠る広尾鉱山跡を探索してきた。

寿都鉱山 (5)


 通常、鉱山となる鉱脈は山中で見つかるため、人里離れた山奥で採鉱が行われる。 ただ広尾鉱山は、寿都町の海岸からも近く市街地の裏山で操業していたようで、跡地には現在でも住宅地が立ち並ぶ珍しいケースだ。
今回は、鉱山跡から住宅街を徒歩で探検、眼下には紺碧の日本海が広がっていた。

寿都鉱山 (4)

寿都鉱山 (6)

広尾鉱山の歴史は古く、明治時代の1893年頃には鉱脈が見つかり大正時代の1915年頃には広尾鉱山として本格的に採鉱が始まった。主に金、銀、亜鉛が採れ、戦後は三菱の傘下となり寿都鉱山へと変遷したが、1962年(昭和37年)頃には休止状態となりその後閉山した。

かつては海から見上げる丘に鉱山施設がひしめき、市街地には映画館や演劇場もあったそうだが、殆どは取り壊され住宅地へと転換、僅かに生き残った建物も傷みが激しく空前の灯といったところか、探索すると地面や空き地が赤茶色や黄土色に染まる箇所が点在するが、これは間違いなく鉱山跡の名残でブッシュやイタドリを掻き分けるとズリ山跡と思しき場所も簡単に見つかった。


寿都鉱山 (9)

寿都鉱山 (8)

遺構群は丘の上に少し残っているそうなので、坂を上り住宅地の奥へと進んでみる。 カメラをぶら下げた登山装備の怪しい人間?と住民の方からはかなり不審者に見えたかも知れない(笑)、ちなみに通報はされなかったのでご安心を!!
民家が途切れた空き地には、かつて竪坑櫓があったそうだが今は面影も無く、現在は建材会社の所有地となっているようだ。
少し奥にあるブッシュ地帯が中枢部となっており、お邪魔して探索してみた。

寿都鉱山 (3)

寿都鉱山 (1)

廃材を少し掻き分けながら進むと、水路跡や錆びた接続金具、雨水が溜まった貯水施設、ベルトコンベヤーの遺構群がブッシュのなか広範囲に埋もれ、かつてを偲ばせていた。 
閉山後すでに50年以上経過、かつての住民も見下ろしていた日本海を望む丘には新興住宅が目立ち、当時を知る人も僅かとなったようだ。

寿都鉱山 (10)



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